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大気中に滞留する二酸化炭素を、単なる削減やオフセットの対象としてではなく、持続可能な未来を築くための「新たな炭素資源」として物理的に再構築しようとする試みが注目を集めています。2015年設立、米国カリフォルニア州バークレーに本社を構えるトゥエルブ(Twelve Benefit Corporation)は、水と二酸化炭素、そして再生可能電力のみから、従来の石油と全く同じ分子構造を持つ航空燃料や各種化学原料を電気合成する気候テクノロジーのイノベーターとされます。
同社の核心をなすのは、常温かつ低圧で稼働する独自のプロトン交換膜型CO2電解技術「オーパス(Opus™)」です。プロトン交換膜(PEM)型電解とは、水に電圧をかけ、膜を通じて水素イオン(プロトン)を移動させて化学反応を起こす電気化学プロセスを指します。数百度の熱を要する従来の高温固体酸化物共電解技術とは異なり、常温・低圧下で迅速に起動・停止できる特徴があるようです。そのため、天候で変動する太陽光や風力といった「間欠的な再生可能エネルギー」の供給タイミングとも、物理的なロスなく完全に同期して稼働できるとのことです。これにより、化石資源の採掘を直接的に回避しつつ、既存のインフラにそのままドロップインできる合成燃料「E-Jet®」や持続可能な素材「E-Made™」を効率的に提供できる強みがあるようです。
同社は、株主利益の極大化のみを求める従来の資本主義の枠組みを超え、持続可能な社会の実現を定款に定めた「ベネフィット・コーポレーション」の法的形態を採用しているようです。気候危機という人類共通の課題に対し、初の商用プラント「エアプラント・ワン(AirPlant™ One)」をワシントン州モーゼスレイクに建設し、現地でのクリーン雇用の創出に深くコミットしているとされます。短期のエグジットを急ぐ投機マネーとは一線を画し、ビル・ゲイツ氏率いるブレイクスルー・エナジーや、持続可能なインフラ自給を志すグローバル事業会社などから「耐える長期資本」を大規模に獲得しているとのことです。
今後の社会実装における最大の焦点は、モーゼスレイクのデモプラントから年間数百万ガロン規模へと展開する「エアプラント」網の物理的拡張(スケーリング)と、量産効果による製造コストの低減とされます。また、炭素の電気化学的な再結合には莫大な電気エネルギーを要するため、世界各地のインフラにおいて、安価で信頼性の高い超大容量の再生可能電力をいかに安定確保するかが、長期的なスケールアップの絶対的な前提条件になると見られています。
地球という奇跡のバランスを分子の調和によって再生しようとする同社の泥臭くも崇高な挑戦と益々の活躍を期待します。(AS)
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Twelve | A world made from air™
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