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地球表面の7割を占める海洋の自然な化学平衡を活用し、大気中の二酸化炭素(CO2)除去とクリーンエネルギー供給を同時に達成する「海水電解イノベーション」が大きな注目を集めています。2021年設立、米国ロサンゼルスに本社を構えるエクアティック(Equatic, Inc.)は、カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)の研究から誕生し、海洋脱炭素とネガティブエミッション水素の同時生成を商業化した先駆者とされます。
同社の核心をなすのは、再エネ電力を用いた工場内の密閉型電解リアクターで海水に低電圧を通じる技術であるとのこと。海水中のカルシウムやマグネシウムを難溶性の炭酸塩や、弱アルカリ環境下で極めて安定な重炭酸イオンへと不逆的に化学変化させ、CO2を1万年以上にわたり恒久固定します。外海散布型とは異なり、流体中の固定量を100%直接計測(MRV)できるため、市場最高品質の炭素除去クレジット(CDR)として認証されるそうです。さらに、CO2除去1トンあたり約30キログラム産出される高純度グリーン水素は、パイプラインで安全捕獲され、CDR単価を飛躍的に引き下げる経済的武器となっているとのことです。
同社は米国エネルギー省(DOE)やStripeなどの長期資本を獲得し、事業基盤を固めているとされます。シンガポール政府水庁(PUB)と提携し、同国トゥアスの海水淡水化排水インフラに直結した大型プラント「Equatic-1」を着工したほか、米ボーイングと持続可能航空燃料(SAF)用グリーン水素の長期供給協定を締結しているようです。
【今後の焦点・課題】 今後の社会実装における最大の焦点は、長期運用における電極耐久性の維持と、モジュール設備の量産化によるコスト低減とされます。沿岸インフラに接続可能な標準プラントを世界展開し、重工業や航空分野の脱炭素化をどこまで加速できるかが、スケールアップの鍵を握ると見られています。
豊かな海の恩恵と精密な化学プロセスで地球の気候を修復し、環境とエネルギーの調和に挑む同社の活躍を期待します。(AS)
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