<aside> 💡 地域全体を宿泊施設に 大分県竹田市直入町にある長湯温泉(以下同温泉)は、日本一、世界でもトップレベルにある炭酸温泉地域だそうで、同温泉のウェブサイトを覗くと、「長湯温泉は、血行を促進するため、神経痛や心臓病に効き、また、飲めば胃腸の働きを活発にするので、胃腸病や便秘に効果があると言われています」とあります。しかしながら、同温泉地域は、過疎化が進行中で放置すれば折角の名湯さえも宝の持ち腐れになりかねない状況であったようです。 過疎化が進めば空き家も増えますが、同温泉地域では「空き家や古い建物を宿泊施設や飲食店などとして再利用することで地域全体で観光客や移住者を迎え入れる」大胆な試みがPDCA(Plan, Do, Check, Action)サイクルに沿いつつ今も進行中のようです。又同温泉地域には、クアパーク長湯(坂茂設計)、御前湯(象設計集団)、ラムネ温泉館(藤森照信氏)など名のある建築家の設計による建築物も配置されており、同温泉地域を訪れる人々の関心を高めているそうです。 上述のような、様々な取り組みを包含する形で、2023年5月に同温泉地域にイタリアの観光モデル「アルベルゴ・ディフーゾ」を導入する取り組みを開始、街中や集落の古民家を客室に見立て,一帯で宿泊経営を行う分散型宿泊施設の考え方に基づく活動を広めようと、2023年5月に「長湯温泉アルベルゴ・ディフーゾ協会」(本部:大分県竹田市直入町、以下同協会)が発足。イタリア語で,アルベルゴは「宿泊施設」,ディフーゾは「分散」の意味を持つそうで、空き家を宿泊施設として再生し,レセプション(フロントやコンシェルジュ機能をもつ施設)を中心とした街中に,レストランやバー機能を有しており、少子高齢化による空き家問題の解決や,宿泊者が回遊することによる活性化や,交流の創出が期待されているとのことです。 同協会会長首藤勝次氏は、直入町役場職員、大分県議会議員、大分県竹田市長を三期務められるなど地域行政に精通、そればかりか首藤家の家業である同温泉地域中軸の旅館経営、海外との交流を通じて得られる多様な視点など、同地域の課題とその解決へ向けた取り組みに必要なあらゆる知見を備えておられるご様子。正に、首藤氏なればこそ、深い歴史に包まれつつも、ともすれば衰退の可能性のあった同温泉地域の再興、そして日本国内でもユニークな温泉地域に変貌が成し遂げられたのだと思います。同地域の益々のご発展を祈念致します。(AS)
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