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2021年に茨城県つくば市の国立研究開発法人物質・材料研究機構(NIMS)内で産声を上げた株式会社Thermalyticaは、人類が直面するエネルギー問題に対し、材料科学の力で挑むディープテック・スタートアップです。
世の中のエネルギー消費の約4分の3が熱として捨てられているという現状に対し、同社は「熱マネジメント」の最適化を通じた地球環境の維持と改善を目指しているようです。その中核を成すのが、NIMSでの長年の研究から生まれた超断熱材「TIISA®」です。この素材は、従来のエアロゲルが抱えていた「製造コストの高さ」と「扱いにくさ」という課題を、ナノレベルの再設計によって克服したとされています。気体分子の衝突を抑制する特殊な微細構造により、市販の断熱材を凌駕する性能を持ちながら、流動性を備え、かつ経済的な量産が可能という、海外の競合製品とも一線を画す特長を有しているとのことです。
同社の技術は、-253℃の極低温維持が求められる液化水素の輸送・貯蔵から、電気自動車(EV)バッテリーの熱暴走対策、宇宙船の再利用を支える超高温遮熱コーティングまで、文明の進歩に不可欠なインフラを支える役割を担っています。また、窓の断熱性と透明度を自在に操る「スマートエコウィンドウ」など、人々の暮らしに寄り添った省エネソリューションの開発も進められているようです。
経営面においても、研究不正防止の徹底やESG投資を意識した透明性の高いガバナンス体制を構築しており、技術の社会実装に向けた姿勢には揺るぎないものがあると感じられます。その先見性と革新性は国際的にも高く評価されており、KPMG主催の世界大会での優勝やシンガポールでの最優秀賞受賞など、名だたる賞を相次いで獲得しています。つくばから世界へ、熱を制御しエネルギーの無駄をなくす同社の取り組みは、持続可能な地球環境を次世代へと引き継ぐための、静かな、しかし確かな希望となっているようです。(AS)
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