<aside> 💡
地球の地中深くに眠る無制限の熱エネルギーを活用し、天候に左右されない24時間連続稼働のクリーン電力を創出する「超深層地熱発電」が注目を集めています。2018年設立、米国マサチューセッツ州ケンブリッジ(MITプラズマ科学・核融合センター発)に本社を構えるクワイス・エナジー(Quaise Energy, Inc.)は、既存の掘削限界を破り、極限の深層熱を獲得する気候テクノロジーのイノベーターとされます。
同社の核心をなすのは、機械的なドリル刃ではなく、高出力のミリ波(ジャイロトロン波)を照射して硬い岩盤を一瞬で蒸発・融削(蒸削)する独自の超深層掘削技術です。ジャイロトロン波とは、核融合研究でプラズマ加熱に使われる高周波の電磁波であり、超高温の超深層(深さ10〜20km、500℃以上)まで岩盤を削り進む物理的アプローチを可能にするようです。これにより、地球上のあらゆる地域で超高圧・超高温の「超臨界流体」を確保し、従来の地熱発電の数倍から十数倍に及ぶ莫大な電気エネルギーを効率的に抽出できる強みがあるとのことです。
同社は、自ら新しい送電網やプラントをゼロから建設するのではなく、退役予定の石炭・ガス火力発電所の敷地で直接掘削を行い、既存の蒸気タービンや送電インフラ、そして現地の熟練労働者をそのまま再活用する戦略を掲げているようです。短期のエグジットを急ぐ投機資金とは一線を画し、三菱重工や大手掘削企業、BEV、米エネルギー省(ARPA-E)等から「耐える長期資本」を獲得し、地域の雇用維持と公正な移行(Just Transition)を先導しているとされます。
今後の社会実装における最大の焦点は、ラボおよび実証フィールドでのミリ波蒸削装置から商用リグへの物理的スケーリングと、超深層における高温・高圧環境での坑井(井戸)の長期安定性の実証とされます。超深層への掘削には高いエネルギー制御と精密な排ガス・溶融岩処理が不可欠であるため、各地の掘削パートナーや電力事業者と連携し、安全かつ堅牢な運用プロセスをいかに確立するかが、長期的なスケールアップの絶対的な前提条件になると見られています。
地球が本来持つ熱の恵みを最新の物理科学で引き出し、産業の足元から粛々と未来を修理しようとする同社の挑戦と益々の活躍を期待します。(AS)
</aside>

MITEI spinout Quaise raises $180 million
This startup wants to use beams of energy to drill geothermal wells
‘Deep Geothermal’ Promises to Let Drillers Go Deeper, Faster and Hotter