<aside> 💡 欧州からの反撃 欧州ではEUの厳しい環境規制により自動車メーカーはEVへの移行を強く迫られており、その要となるバッテリーを経済安全保障の観点からもEU域内で調達するように促されています。これに呼応するように、スウェーデンに本社を置くNorthvolt社(2016年創業、以下同社)は、2017年に大胆かつシンプルな計画を発表しました。曰く、「世界で最も環境に優しいバッテリーセルを開発し、バッテリーの欧州供給を確立することで、エネルギーの未来を可能にする」というものです。 爾来同社は、研究開発、製造施設、循環型製造工場への投資など積極的に実施し、製品開発分野ではリチウム電池に加えて時代の最先端を行くナトリウムイオン電池の開発に成功、又「電池から電池をつくる」という言葉に示されるように古い電池を新しい電池の原料に変える電池のリサイクルプログラムを稼働させているそうです。 同社の革新的な製造の精神を記す同社の文章を次に引用してみます。「**革命の原動力:**Northvoltでは、化石燃料への依存をなくすという人類最大の課題を定義する産業革命のための持続可能な製造基盤を開発しています。ひとつ屋根の下Northvoltは、幅広いバッテリーサプライチェーン活動を社内で行うことで、バッテリーメーカーであることの意味を書き直しました。この垂直統合的アプローチにより、私たちは世界で最も持続可能なバッテリーの製造を目指しています。製造だけでなく、私たちはソフトウェアとデジタル・コンピタンスにも深く投資してきました。そして、より良く、よりスマートで、よりクリーンなバッテリーソリューションを構築するために、私たちの活動全体にこれらを展開しています。」(英文和訳:筆者)とあります。フェアトレードという言葉があるように、これまで製品原料から完成品に至るまでのサプライチェーンを辿る中で不公正・不公平な取引も内在していたことが挙げられ、これを正すべくフェアトレードが世界的で叫ばれるようになりました。この点においてもこの「革命の原動力」以下の文章には同社の強く堅い意志を感じます。 最後に、同社ウェブサイトのトップページに記載されている同社の2030年達成目標値「石炭火力発電のセルと比較してCO2を90%削減」「リチウムイオン電池設置容量目標150GWh」をご紹介して本稿を閉めたいと思います。地球に優しく持続可能な製品づくりを通じて持続可能な社会づくりにも貢献するという強い意志を感じさせてくれる同社の益々のご活躍を期待しています。(AS)
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