<aside> 💡 ベーシックインフラの地産地消100%を目指して 宮城県川崎町を本拠地とする株式会社百(以下同社)は、生きるために最低限必要な食料・水とエネルギーを「ベーシックインフラ」と定義し、その地産地消率100%を目指して2020年に創業。先ずは、生活の場を確保するため「2019年1月15日に15163㎡の杉林を手に入れ、『百のやど』を建設するための土地整備を開始しました。2019-2021年にかけて、建設に必要な本数の杉を自伐し、伝統構法大工が敷地内で製材・刻みを行い」、続いて宿泊施設を完成させ、来年2025年には一定規模のコミュニティを形成するべく仲間を増やしつつあるとのことです。 ベーシックインフラ整備の根幹、食料地産においては、極力農薬などを使わず気候など土地柄に合わせた農作物づくりや養鶏、猪猟などをコミュニティで管理しつつ行い、エネルギー源は発電用ダムなどを作らず小水力発電や太陽光による発電で賄うそうです。余剰電力を使用して水素生成を行い燃料電池として蓄え電力自給率を向上させるとのこと。更に、放置されている里山の広葉樹林を自伐市薪ストーブやボイラーの熱源として利用し、生ごみを細菌で分解して得られるメタンガスの利用や地熱、太陽熱など様々な熱源を活用するそうです。 現代人はこれまでとかく「はたらく」(お金を稼ぐ)ことに多くの時間を割き、得られたお金で「くらし」て、余ったお金で「あそぶ」というお金に縛られた生活をしてきましたが、「はたらく」、「くらす」、「あそぶ」の三つのバランスの取れた生き方があるはずであると考えて、同社はこれをベーシックインフラ型社会と名付けて新たなライフスタイルを提案しています。川崎町に移住してコミュニティに全面的に参加するもよし、従来どおり都会で「はたらく」手段をとりながら、コミュニティに参加するのもよしとするとのこと。 同社が提案するベーシックインフラ型社会においては、現代技術の粋を利活用するエネルギー地産があり、食料地産においても極力農薬に依存せずにコミュニティの力を合わせて効率の良い方法を考える姿勢があると感じます。また、同社ウェブサイトには資本主義を前提としている旨の記述があることを銘記しておきたいと思います。最後に、現時点の同社事業収入は、上述の宿泊施設「百の宿」の運営、「林業」、「企業研修」にあるとのことを付記しておきます。ともあれ、現代技術を活用しつつ「はたらく」、「くらす」、「あそぶ」の三つのバランスがとれるライフスタイルを提案する同社の持続的発展を心より祈念します。(AS)
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